百薬一話

『第622話』 【正しい血液型】表、裏検査で最終判断

2003-11-03   

 「おれはゼロだ」「わたしはアメリカン」と薬局で訳の分からない会話が交わされている。お薬手帳に血液型を記入する項目があって、これに答えた患者さんからの返事だ。「おれはゼロだ」と答えた人は相当に詳しいはずだ。こうして尋ねてみると、結構知らない人がいる。
 1900年オーストリア人のカール・ランドシュタイナーが33歳の時、ウィーン大学医学部病理学教室の助手時代に、他人同士の赤血球と血清を混ぜると、赤血球同士が寄り集まって凝集する場合としない場合があることを発見し、翌年発表した。この時分類したのはA型・B型・C型だった。C型は今のO型に当たる。現在の名称を用いるようになるまでは紆余曲折(うよきょくせつ)があり、1927年国際連盟の専門委員会で決議に至った。
 彼は1927年に、MN式、P式血液型を発見するなどの功績で、1930年アメリカ人としてノーベル生理医学賞を受賞した。また、アカゲザルの赤血球でウサギを免疫し、このウサギの血清がアカゲザルの赤血球だけではなく、白色人種の85%の赤血球を凝集することを弟子のA・S・ウィナーとともに1940年に発表した。これはアカゲザルの英名「Rhesusmonkey」からRh因子と呼んでいる。従って、白色人種の15%がRhマイナスだ。
 日本人は、A・O・B・ABの順で、4・3・2・1の割合だ。Rhマイナスの出現率は200人に1人なので、AB型だと2,000人に1人しかいない計算になる。
 血液型は、赤血球に抗A抗体と抗B抗体を加えて検査する。抗A抗体で凝集すれば、A型だ。O型の場合は、いずれの抗体でも凝集することはなく、このため「抗原がない、ゼロ」と表現したことからO型という呼び名になった。この検査を表検査と呼ぶ。凝集の強弱や特殊な血液型があるため、既知のA型・B型・O型の赤血球に調べたい人の血清を加える裏検査を行って最終的に判断する。
 血液型はメンデルの法則に従って遺伝するので、地域、人種間での偏りがある。しかし、特異的な例もあり、AB型とO型の親から生まれるはずのないO型が生まれることがある。血液型は、さまざまな型があり400種を超える。
 さてさて、読者の皆さんの血液型は何型ですか?


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