薬の知識

『薬の種類』(くすりのしゅるい)

医師が処方する薬や、患者さん自身が薬局・薬店で購入できる大衆薬などがあります。

【医療用医薬品】(いりょうよういやくひん)
医師が処方する薬です。医師が診察し、その患者さん1人1人の症状、年齢、体質などに合わせて、薬の種類や量が決められます。同じ症状でも、原因や患者さんのその時の状態によって、別の薬の種類や量が処方されることがあります。薬には様々な作用があり、同じ薬だから同じ病気とは限りません。
同じ症状だからと自分の薬を他の人に服用させてはいけません。人によっては害になる場合もあります。
【一般用医薬品】(いっぱんよういやくひん)
軽い病気の症状の軽減や緩和及び予防など一時的に利用されることを目的とした薬です。不特定多数の人が使用できるよう薬の種類や量が規制されています。安全性に配慮されていますが、副作用がまったくないわけではありませんから、自分で判断して使う薬といえども、注意が必要です。特に病院にかかっている人は、必ず医師又は薬剤師に相談して購入しましょう。使用しても症状などが緩和されなかったり、何日も症状が続くようであれば医師に診察してもらいましょう。
大衆薬、OTC薬(カウンター越しに渡す薬)とも呼ばれています。

『薬の形・使い方など』(くすりのかたち・つかいかたなど)

薬は、体の目的の場所で最も効果を発揮させるとともに、服用しやすくするなど、様々な形に工夫がされています。ここに紹介している以外にもさまざまな種類があります。

『内服薬』(ないふくやく)
口から飲む薬です。
【錠剤】(じょうざい)
用量を個数で取ることができて便利です。糖衣などで服用しやすくしたものや中には胃で溶けず腸ではじめて溶けるように工夫されたものがあります。特別な指示のない限り、錠剤を飴のようにしゃぶったり、噛み砕いたりしてはいけません。錠剤を服用するときは、必ずコップ1杯程度の水か、ぬるま湯で服用してください。水やぬるま湯なしで服用すると食道や胃の粘膜をいためることがあります。
【その他の錠剤:水なしで服用できる薬】(そのほかのじょうざい:みずなしでふくようできるくすり)
舌下錠(ぜっかじょう):舌下部に挿入してゆっくり溶かし、舌の下の粘膜から薬を吸収させます。心臓の薬やホルモン剤などがあります。
チュアブル錠(ちゅあぶるじょう):噛みながら口の中で薬を溶かして用います。胃腸薬などがあります。
トローチ錠(とろーちじょう):口の中で少しずつ溶かします。口の中やのどの粘膜に直接作用させる薬が多く、噛まずに溶けきるまでなめて用います。使用後すぐの飲食物はさけてください。
【カプセル剤】(かぷせるざい)
錠剤と同様に用量を個数で取ることができて便利です。カプセルはゼラチンでできており、中に粉末状や顆粒状の薬などがはいっています。カプセルの中身を取り出して服用してはいけません。カプセル剤を服用するときは、必ずコップ1杯程度の水か、ぬるま湯で服用してください。水やぬるま湯なしで服用すると食道や胃の粘膜をいためることがあります。
【散剤】(さんざい)
粉末状の薬です。体に吸収されやすい長所があります。水か、ぬるま湯と一緒に服用しますが、口の中に少し水か、ぬるま湯を含んでおいてから服用すると、飛散せず、むせずに飲めます。
苦味の強いものは、オブラートに包むと良いでしょう。ただし、苦味の刺激によって効果を現わすものもあるので、医師または薬剤師にオブラートで包んで服用して良いか相談してください。
湿気を嫌うので保管に注意しましょう。
【顆粒剤】(かりゅうざい)
散剤より粒が大きく、においや苦味を抑えたり、徐々に溶けるように加工されたものです。噛みくだかずに水か、ぬるま湯と一緒に服用します。
【液剤・シロップ剤】(えきざい・しろっぷざい)
薬を水やシロップなどに溶かして服用しやすく液状にしたものです。計量カップ等で1回分を正確に計って服用します。中には成分の一部が沈殿しているものがありますので、軽く容器を振って均一な液にして服用してください。容器に直接口をつけたり、口をつけたスプーンなどを容器の中に入れないでください。唾液がついて変質したり腐敗することがあります。
【その他の液剤:水を準備する薬】(そのほかのえきざい:みずをじゅんびするくすり)
ドライシロップ(どらいしろっぷ):
小児用の抗生物質などにこの剤型が多く、そのまま服用するか、少量の水に溶かして服用します。
発泡錠(はっぽうじょう):
形は錠剤ですが、水に入れて発泡させ、液状にして服用します。かぜ薬などがあります。
『外用薬』(がいようやく)
体の外側に用いる薬です。
【軟膏・クリーム】(なんこう・くりーむ)
皮膚に塗る薬で、チューブ等に入っています。患部に直接塗って、直接作用します。
目的によって、吸収されやすいものと、吸収されないで塗った場所で長く作用するものがあります。軟膏やクリームを塗る前には、まず患部をきれいにし、清潔な手で薬を取り、患部に塗ります。ガーゼなどに塗って患部に貼ったりするものもあります。汚れた手で薬を取ると患部の汚染だけでなく、薬の品質も悪くします。使用後は、きちんとフタをしめて保存しましょう。
皮膚の薬を大別すると、殺菌消毒薬、かゆみ止め、抗炎症剤、化膿止め、保湿剤の5つのタイプに分けることができます。
【点眼薬】(てんがんやく)
目薬には、一般点眼薬(目の疲れ、かゆみ、結膜充血などを治す成分が含まれたもの、眼病予防)、抗菌性点眼薬(結膜炎、ものもらいなどの細菌感染の眼病を治す抗菌成分が含まれる)、人工涙液(目の疲れ、目のかわき、コンタクトレンズの装着不快感緩和)、その他(コンタクトレンズ装着液、洗眼薬)があります。
【点鼻薬】(てんびやく)
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりに使用するものがあります。
噴霧式の点鼻薬は、よく振ってから噴霧してください。
緑内障、前立腺肥大症、高血圧症、妊婦、高齢者が鼻炎薬を使用する場合は、医師又は薬剤師に相談してください。子供には、子供用のものを綿棒に1〜2滴含ませて鼻腔内を湿らせます。
【坐剤・膣剤】(ざざい・ちつざい)
体温で薬が溶け、粘膜から吸収されて効果が現れるようにしたもので、局所に作用するものと、全身に作用するものがあります。消化管を通らないので胃腸障害のおそれがなく、また、服用できないときに使用できる利点があります。
【貼付剤】(ちょうふざい)
患部を治療するためのものと、全身への作用を目的とするものがあります。皮膚を清潔にし、患部へ貼ります。しわが寄らないように貼りましょう。湿布薬などがあります。
【注射剤】(ちゅうしゃざい)
直接血中や体内に入るため、薬の効果が最もはやく現れます。 薬の有効成分が内服では、こわれやすく、また、吸収されない場合や比較的大量の投与が必要な場合に使用します。

『薬の服用時間』(くすりのふくようじかん)

薬には服用する時間が決められています。それは薬の効果を現わすとともに、体外へ排泄し、副作用を少なくして安全性を高めるためです。薬は時間を守って服用することがとても大切です。

【食前】(しょくぜん)
食事をとる30分〜60分前に服用します。
胃の中に食物が入っていない状態で薬の効果を現わすためです。
【食直前】(しょくちょくぜん)
食事をとる直前に服用します。
【食間】(しょっかん)
食事と食事の間に服用します。
胃が空っぽになり胃液の分泌が少なくなっている状態で、充分に薬を吸収させるため、食事の後、約2時間たってから服用します。
【食後】(しょくご)
食事の後30分以内に服用します。
食事をした後の胃は、食物の消化活動が盛んです。その後、小腸の粘膜から薬は栄養素と一緒に少しずつ吸収されます。胃を荒しやすい薬でも、食物があるために胃粘膜への刺激が少なくてすみます。
【食直後】(しょくちょくご)
食事を済んだら、すぐに服用します。
【就寝前】(しゅうしんまえ)
寝る30分〜60分くらい前に服用します。
【時間ごと】(じかんごと)
食事に関係なく、例えば、6時間ごと、8時間ごとなどの指示どおりに服用します。
体内の薬の濃度を一定に保ち、効果を持続させるためです。
【頓服】(とんぷく)
必要に応じて服用します。症状を一時的に改善させるためですが、医師の指示にしたがって正しく服用してください。すぐに症状が改善されないからといって、何回も服用してはいけません。

『薬の服用を忘れたら』(くすりのふくようをわすれたら)

薬の不規則な服用は、大変危険です。
薬の服用を忘れたことに気付いたら、自分で判断せず、医師や薬剤師に相談して適切な指示をもらいましょう。また、普段から食事が不規則な場合には、事前に相談し確認しておきましょう。

『薬を服用したかどうか忘れたら』(くすりをふくようしたかどうかわすれたら)

服用している薬により対処法が異なります。自分で判断せず、医師や薬剤師に相談して適切な指示をもらいましょう。服用したらカレンダーに印をつけるなどの予防策をとりましょう。

『薬を間違えて、たくさん服用したら』(くすりをまちがえて、たくさんふくようしたら)

薬によって作用の強いものや効果がすぐに現れる吸収のはやいものは大変危険です。一方それほど心配のない薬もあります。服用した患者の病気や状態によって異なりますので、まず医師に連絡をして指示にしたがってください。

『薬を服用するときは』(くすりをふくようするときは)

薬はコップ1杯の水かぬるま湯で服用しましょう。つい近くにある飲み物で服用しようとしてしまいがちですが、薬と薬の飲み合わせに影響があるように薬と飲み物にも飲み合わせの影響があります。

【牛乳】(ぎゅうにゅう)
薬によって体内への吸収の妨げになることもあります。
【お茶】(おちゃ)
濃いお茶の場合、お茶に含まれるタンニンという成分が薬の吸収を妨げる場合があります。
【コーヒー】(こーひー)
カフェインで薬の作用が強くなりすぎたり、副作用を起こすこともあります。
【ジュース】(じゅーす)
ジュースによって、薬の作用を強めたり、弱めたりする場合があります。
【アルコール】(あるこーる)
薬の作用が強くなりすぎたり、副作用の危険性が高まります。

『薬の保管方法』(くすりのほかんほうほう)

医師または薬剤師から保管方法についての特別な指示がないものは、常温での保管で問題ありませんが、高温、多湿、直射日光をさけて保管しましょう。

【保管温度】(ほかんおんど)
冷蔵保存(4℃)、冷所保存(15℃以下)、室温保存(1〜30℃)などがあります。
【その他の保管上の注意】(そのたのほかんじょうのちゅうい)
  • 医療用医薬品の場合は、他の人が間違って服用しないように、救急箱など皆が使う一般用医薬品とは一緒にせず、別に分けて保管しましょう。
  • 薬の箱や袋・使用上の注意などは、捨てずに一緒に保管しておきましょう。
  • 薬を別の容器に移しかえたり、使用後の薬の瓶等へ別のものを入れたり、誤飲の原因になりますのでやめましょう。
  • 小さい子供がいる家庭では、子供の手の届かない所で保管しましょう。また、冷蔵庫で保管している場合、間違って子供が服用してしまわない工夫をしましょう。
  • 殺虫剤・防虫剤・園芸用薬・農業用薬などとは、同じ場所に置かないようにしましょう。

『薬の使用期限』(くすりのしようきげん)

一般用医薬品には、有効期限や使用期限の表示のあるものや表示のないものがあります。有効期限や使用期限があるものは期限を過ぎたら使用しないようにしましょう。
期限表示のないものは一般的に医薬品の製造から消費までの期間、未開封の状態で通常3年とされていますが、開封後は適切に保管されていれば、医薬品の製造から消費までの期間内で6ヵ月程度を目安とすると良いでしょう。しかし、保管方法や使用時に適切に使用されていない場合には品質に大きく影響しますので、薬の説明書等に記載されている保管方法を守りましょう。不明な場合には、薬剤師に相談しましょう。
医療用医薬品の場合は、服用が必要な期間分のお薬が渡されていますが、症状の改善などで薬があまってしまう場合があります。医師がその時の患者さん1人1人の症状、年齢、体質などにあわせて処方している薬です。以前にもらった薬が、現在の症状に本当にあったものかわかりません。同じ症状でも原因が違う場合があるので注意が必要です。また、自分の薬を他の人に服用させてはいけません。思い切って捨てることが必要です。使用期限は処方日数までです。わからない場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。