『第213話』 ビタミンB群は葉酸など8種類
人の身体に必要不可欠な栄養素ビタミン。現在ビタミンとされている物質は13種類ある。
このうち、B1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B6(ピリドキシン)、B12(コバラミン)、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチンの8種類がビタミンB群として一つにまとめられることが多い。
なぜビタミンB群だけがこのようにまとめられるようになったかというと、それはビタミンの研究が始まった今世紀初頭にさかのぼらなければならない。
1906年イギリスの生化学者ホプキンスは未知の栄養素がネズミの成長に必要であることを報告している。
ビタミンという名称はポーランドのフンクが1911年、生命に必要なアミン(窒素を含有する有機物)から名付けた。
その後、アメリカのマッカラムが1913年にこの未知の栄養素には脂肪に溶けやすいA因子と水に溶けやすいB因子があることを発見する。そして後に、それぞれの因子はビタミンAとビタミンBと呼ばれるようになる。
研究が進むと水溶性のビタミンBは一成分だけの純粋なものではないことが分かり(1920年代にはいろいろなビタミンが分離、命名され、次々と番号がふられるようになる。
しかし、このころの分析技術は現代のような機器分析を駆使できるような時代ではなく、試験管を振りながら、一つ一つを分離し、化学構造を決めていた。従って、単離しても不純物が多く、混合物質や再確認できない物質、すでに発見された物質と同じであったりした。こうして、せっかく番号がふられたビタミンBの仲間は次々に消去されていった。
水溶性のビタミンはビタミンB群のほか、ビタミンCがある。脂溶性のビタミンはデカ(ビタミンD・E・K・A)と覚えるとよい。脂溶性のビタミンは体内に蓄積するので過剰の摂取は避けるべきだ