『第218話』 膀胱炎の抗菌剤、規則正しく服用

膀胱(ぼうこう)炎になりやすいタイプの人は寒くなる季節が苦手だ。

膀胱炎は尿道から侵入した細菌によって膀胱の粘膜に炎症が起きる病気だが、とにかく頻繁にトイレに行きたくなる。これは膀胱の神経が炎症による刺激を尿がたまっているのと同じ刺激としてとらえるためで、実際には膀胱の中が空でも尿意を感じてしまう。

よく排尿を我慢すると膀胱炎になりやすいといわれる。排尿を我慢していると膀胱はゴム風船のように限界まで膨らむ。こうなると膀胱に張り巡らされた血管も伸びて細くなり、血液が十分に行き渡らなくなる。血液が行き渡らない部分は一種の栄養失調状態で、抵抗力が落ちて細菌に感染しやすくなる。

女性がかかりやすく、原因菌が大腸菌である膀胱炎は急性単純性膀胱炎と呼ばれ、大腸菌を殺す抗菌剤で比較的簡単に治るので泌尿器科のほか、婦人科や内科でも対応してくれる。

膀胱炎の抗菌剤は薬局でも買うことができるが、市販薬で許されているのは一種類だけ。抗菌剤は規則正しく決まった時間に飲むことがポイントで細菌を死滅させるのに最低でも3日間は服用する必要がある。好き勝手に飲むと原因菌をさらに強い菌(耐性菌)に変えてしまう恐れがあるので、医師の診断に従ったり、薬剤師のアドバイスを必ず守ってほしい。

また薬とともに、膀胱内の細菌を洗い流すために水分を多く取り、尿量を増やすことも大事だ。日ごろから体を冷やさないようにし、特に下半身を温めるとよい。使い捨て懐炉を使うなら左下腹部と背中の腰の部分に当てると骨盤内の臓器を支配する神経を和らげ、血行もよくなる