『第337話』 添加物の害除く、食生活の難しさ
今どき、食品添加物を含まない食品を見つけようとしても、それは容易なことではない。
食品添加物は食品の製造を容易にしたり、保存性を高めるために食品に加えられる。
食品添加物が体に良くないことはだれもが認めるところだが、食品添加物がなければ食品の大量生産、大量流通、低価格の実現はあり得ない。いわば、いつでもどこでも食品が買える便利な生活を送るための必要悪になっているとも言える。
食品添加物には使用基準があり、人体に害を及ぼさないと判断されたものが指定されるという原則がある。ところが実際には輸入オレンジやレモン、グレープフルーツなどに使用される防カビ剤のOPPやTBZという物質には発がん性や催奇形性があることが分かっている。
ハムやソーセージ、ベーコン、タラコ、イクラなどには色を美しく見せるために、発色剤として亜硝酸ナトリウムが添加されている。亜硝酸ナトリウムは急性毒性の強い物質だが、ボツリヌス菌による中毒が防げるという理由でやむなく許可された。
亜硝酸ナトリウムは魚肉や魚卵に多く含有されるアミンという物質と反応して、発がん性が極めて高いニトロソアミンになる。従って、アミン類と亜硝酸ナトリウムを食べ合せることによって胃の中でニトロソアミンが生成することになる。
それほど恐ろしいものをなぜそのままにしておくのかという話になるが、野菜類などにももともと亜硝酸ナトリウムが含まれており、自然界からも摂取しているというのが、厚生省が許可している論拠になっている。
さらに保存料のソルビン酸やエリソルビン酸は変異原生の強い物質である。変異原生とは細胞の遺伝子に傷をつける毒性があるということだ。これががん化につながることは十分に考えられる。
当面は少しでも食品添加物の種類や量を減らす努力をするよう企業に強く要望するとともに、危ないものは食べない、添加物の毒性を減らす食べ方を探るといった方法で対処するしかない。