『第404話』 早め早めのカビ退治

地球が誕生して45億年たった。そのころから生命が芽生え、現在にまで至っている。生命の始まりは単細胞だった。単純であるほど変化に順応しやすく、根絶しがたい。

カビもこまめに退治してもまた生えてくる。特に梅雨の季節はカビにとって好都合の季節だ。

カビはキノコや酵母と同じ真菌類に分類されている。葉緑素を持たないため光合成ができず、ほかの有機体に寄生し、栄養素を摂取して繁殖する。平均気温が15度以上、湿度75%以上になると発生しやすくなる。日本では7月、8月を挟んでの4~6カ月間がこの条件になる。

カビの発生を防ぐためには「温度」と「湿度」を下げ、「栄養」を与えないことだ。しかし、逆にこの条件が最も整っているのがふろ場でもある。

ふろ場に発生するあの黒いカビはクラドスポリウム菌(和名・クロカビ)やアスペルギルス菌(和名・コウジカビ)で、菌糸の外側にメラニン色素を持っているために黒く見える。

カビ退治には、さまざまな塩素系カビ取り剤が市販されているので、これを利用するのがよい。塩素剤の漂白効果でメラニン色素も分解してくれる。

注意が必要なのは皮膚を保護する手袋などを必ず着用し、換気を十分に行いながら作業することだ。

また、カビが発生しているところにはカビの種に当たる胞子が必ずある。胞子が飛散したり、衣服や身体に付着して運ばれれば、ほかの部分やほかの部屋にカビの種を植えることになる。胞子が飛散しないように、注意深くカビの生えている周りの部分からスプレーすることが重要だ。

一度生えてしまうと菌糸が目地に入り込んでしまって取れにくくなるので、定期的にカビ取りを行うことが必要だ。

最近の家屋やマンションは気密性が高くなっている上に、核家族化や共働きによって家を空けがちで、通風不良のために湿気がこもりやすい。

カビはゴキブリなどの害虫のえさともなる。早め早めの対応が必要だ。