『第529話』 【インフルエンザ】高齢者や乳幼児に予防接種を
冬を迎えるころになると、必ず出てくるのがインフルエンザの話題だ。
「平成13年度版インフルエンザQ&A」が11月に改訂され、<「予防接種」という選択>という副題がついて厚生労働省から関係機関に配布された。
これは、11月7日に予防接種法が改正されて、インフルエンザが個人の予防目的に重点を置いた二類疾病に指定されたためだ。
昨シーズンは例年に比べて流行の始まりが1月下旬と遅く、規模も3~5分の1程度となった。全世界的にも約10分の1となっている。
この影響で、昨年用意されたインフルエンザ用医薬品は供給過剰になってしまった。
しかし、この流行するかしないかを予測することは難しく、高齢者や乳幼児に与える影響を考えれば、予防接種という予防対策を推進し、かつ治療目的の医薬品を確保していく必要がある。
特に接種することが望ましい人は、65歳以上の高齢者や乳幼児、糖尿病、腎(じん)不全、免疫不全、気管支ぜんそくなどの呼吸器疾患、先天性心疾患などの循環器疾患、慢性心不全といった基礎疾患がある人だ。
同時に、これらの人を介護している家族も接種した方がよい。
改正された予防接種法では、インフルエンザワクチンの接種回数は1回で良いことになっている。これは、過去にワクチンを接種したり、自然感染することで、基礎免疫を得られるということ。65歳以上を対象に実施した1回接種法で免疫力をつけることが可能で、発病阻止効果が45%前後、死亡に対する予防効果が約80%あったからだ。
しかし、乳幼児や大きな抗原変異があった場合には2回の接種が望ましいので、十分に自分自身の状況を医師に伝えて、最終判断をしてもらう必要がある。
インフルエンザワクチンの効果が出てくるのは、接種してから約2週間後、その効果は約5カ月続く。
さらに詳しい情報は、インフルエンザのホームページ「http://i
lue
a-mhlw.sfc.wide.ad.jp/」で入手可能だ。