『第523話』 【昼寝】血圧下がり夜もぐっすり
眠気が発生する時間帯には2つのピークがある。夜の眠気のピークは午前4時ごろで、昼間の眠気は午後2時ごろだ。
夜間の眠気は睡眠中なので問題ないとして、午後2時ごろも本来であれば寝るのに理想的な時間といえる。
昼寝は体にとって、とても良いものだ。ちょっとした仮眠が事故の発生を防いだり、作業効率を高めたりする。
昼寝は血圧の低下をもたらし、それによって自律神経系が鎮静する。つまり昼寝だけでも体にリラクゼーション効果がもたらされている。
血圧が下がることは高齢者にとっても良く、脳梗露(こうそく)などの障害が起こる危険性を低減することにもつながる。
実は意欲的な高齢者ほど、昼寝をしていることが確かめられている。
日中、疲れているにもかかわらず昼寝を我慢していると、夜の早い時刻に眠くなり、夜間や早朝に目が覚めるようになる。
一方、昼寝をした場合は夜10時ごろに眠くなり、熟睡感のある質の良い眠りが得られる。
昼寝にはこつがある。健康な普通の人なら15分、高齢者では30分が適当だ。どちらも深い睡眠に入る前に起きるのがポイント。
短すぎて起きる自信がないと思われるかもしれないが、人間には時計に頼らずに起きる自己覚せい能力があり、習慣化することでその時間に起きられるようになる。
ただし、極端に睡眠不足の人は15分でも深い睡眠に入ってしまうことがあるのでこの方法は向かない。
サラリーマンの方で午後2時が無理という場合には、昼休みでもよい。机にうつぶせでもよいし、背もたれにもたれてもよい。このとき手のひらや足の裏から放熱させると脳の温度が下がり眠りやすくなる。
寝起きをすっきりさせるなら仮眠の前にせん茶やコーヒーを飲むのもよい。カフェインが効いてくるのは30分後だからだ。
夜眠れなくなると昼寝を敬遠していた方も1度、午後2時の短時間仮眠を試してみてはいかがだろうか?