『第17話』 スポーツ飲料で効果的な水補給

長時間の運動や暑い中での運動に、水分の補給は欠かせない。

飲んだ水分の大部分は、胃ではなく腸で吸収される。だから体の要求にこたえるには、いかに速く水分を胃から腸へ移行させるかが問題だ。

1回に600ミリリットル以上飲むと胃でだぶついて腸への移行が遅れる。また浸透圧の高いものほど胃の中に長くとどまるので、糖分の多い清涼飲料は胃がもたれる。

一般には、5度前後の水を200ミリリットルぐらいずつ回数多く飲むのがよい。

ある運動実験によると、水を飲まないグループは直腸温度が上昇してすぐ疲労因ぱいした。自由に水を飲ませたグループは、失った水分の半分程度しか飲むことができず次第に疲れだした。体が失った量に相当する水分を無理やり飲ませたグループでは、直腸温度が低く保たれ、まったく疲れを感じなかったという。

人間は水分が不足してもふつうその半量程度しか水を飲むことができない。しかしわずかの食塩を加えると、失った水分と同じ量を飲むことができる。

この食塩水よりも体にやさしく効果的なのが、スポーツドリンクだ。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど人間の体液と同じミネラルを含み、浸透圧も同じなので腸に負担をかけずに吸収される。二日酔い、下痢などの脱水時に飲むのもよい。

最近はナトリウムを含まず、糖分を抑たえものも売りだされ、脱水時にかかわらず、低カロリードリンクとして人気がある