『第19話』 音楽療法の効果、11日体験の夕べ

なかなか泣きやまない新生児が母親の心音を聞いたとたん泣きやみ、すやすやと眠りだす。無響音室に入れられた人間は不安な気持ちになる。静かなクラシックを聴くと脳内での安静状態を示すα波がたくさん出てくるといったように、音には人間に対する心理的・生理的効果がある。

医療の現場では…これらの効果を利用した音楽療法が試みられている。

音楽療法の基礎知識としては、気落ちがして沈みがちなときに、激しいリズムの明るい曲を無理やり聴いたりすると反対に心の中に反発感が芽生え、逆効果になる。

むしろ、心と同調するような静かな憂うつな感じの曲から始め、その中にとけ込んだ後、徐々に気持ちを切り替えながら曲を明るいものへと変えていく方がいい。

11日午後5時30分(開場)からアトリオン音楽ホールで、秋田赤十字病院の竹本吉夫院長、パイプオルガニスト香取智子さんによる第24回日本薬剤師会学術大会記念公開講演会「明日の健康と音楽療法」-講演と音楽の夕べ-(無料)が開催される。

音楽療法の歴史、生理学的な効果、現在行われている具体的な治療法についての講演の後、実際にパイプオルガンの演奏を聴き、体験してもらう。興味のある方はぜひご来場ください。

将来、一部の疾患では薬を使わず、音楽療法、絵画療法といった芸術療法によって治癒が可能になるかもしれない。

また、大会最終日の13日午後1時30分からの蘭州漢方講演会(同ホール)も一般聴講できる(無料)。講師は秋田市と友好都市にある中国・蘭州市の専門家