『第44話』 生活習慣の改善、「痔主」には大切

現代病に悩む人々は薬に素早い効果を期待しがちだが、生活態度や食生活を無視していては片手落ち。特に痔(じ)主(痔の患者)には食事や生活習慣の改善が極めて重要だ。

排便時にいきんだりすると腹圧(内臓にかかる圧力)は立っている時の3倍もかかり肛門(こうもん)の血行が遮断され、うっ血状態となる。このため便秘が痔の原因となるケースが圧倒的に多い。

妊娠時には子宮が大きくなっておしりを圧迫し、常にいきんでいる状態となる。またゴルフなどスポーツでも腹圧の強くかかるものがある。

便秘は食物繊維の不足と体質的な「冷え」状態が原因だ。体熱温度が低下すると緊張力が弱まり腸の運動は低下する。そのため便は長く停滞し、肛門付近では水分の吸収も進んで固まり、便意を生じなくなる。

痔主が減らした方がよいのは糖分の多いジュース、炭酸飲料、めん類、パン類、アルコール類、肉やウナギ、イクラ、バターなどの高指肪食品など。外食やインスタント食品、間食も減らした方がいい。

逆に増やしたいのが小魚や野菜(特に温野菜)、レモン、玄米酢。若い女性はダイエット志向だが、食べなければいい便は出ないし体も冷えやすい。

便意がある時は、粘液も分泌されスムーズに出る状態になっている。この時を逃さないのが肝心だ