『第50話』 胸やけやゲップ、重曹が早く反応

胃腸薬を選ぶ時は、薬剤師のアドバイスをぜひとも受けてほしい。胃腸の調子が悪くても、総合胃腸薬ならと自己判断で飲んでいる人が多いからだ。

胸やけやゲップなどの症状には重曹(炭酸水素ナトリウム)配合のものがよい。服用後、重曹は速やかに胃酸と反応し、余分な胃酸を中和して胃の痛みや胸やけを鎮める。

しかし、中和したとき生じる炭酸ガスが刺激となって新たな胃酸分泌を促してしまうため、もともと胃酸過多の人には適さない。

重曹は効きめが早く、効果の消失も早いので、この刺激も健康な人にとっては適度なものとなる。ただし続けて服用すると、胃酸過多や胃潰瘍の悪化につながる。

胃酸過多症の人は重曹を含まず、胃粘膜を保護するような水酸化アルミニウムや合成ケイ酸アルミニウム配合のものを選ぶ。

食べ過ぎなどで胃がもたれる時はリパーゼ、プロザイム、ビオシアスターゼなどの消化酵素が入ったものがよい。

食欲がない時は、ゲンチアナやケイヒといった生薬を含んだものが適する。漢方独特の芳香と強い苦みが、反射的に胃液の分泌を促進させ、胃が活発に運動し始める。

激しい胃痛や胃けいれんを鎮める成分としては、ロートエキスや臭化ブチルスコポラミンなどがある。薬で一時的に症状が治まっても、医師の診察は必ず受けてほしい