『第58話』 コンタクト使用、涙の量必要条件

コンタクトレンズの便利さはよく分かるがどうも相性が悪くて、という人がいる。何かの理由で涙の量が少なく、目が乾いている状態をドライアイと呼ぶが、このような人はコンタクトレンズが使えない。

コンタクトレンズは「涙の海に浮かぶ舟」と表現されるように、使用するには涙が十分にあることが必要条件だ。

涙にはさまざまな生理作用がある。角膜や結膜の細胞を乾燥から守り、角膜表面を滑らかにして網膜に鮮明な像を結ばせる。また角膜に酸素やグルコースといった栄養を補給したり、細菌感染を防いたりしている。

まばたきは車のワイパーの働きに似ている。まばたきのたびに角膜の表面に涙の膜かつくられ、正常時では1分間に25回まばたきをするという。これが車の運転時には12回、ワープロ使用時には7回、さらにコンピューターゲーム時には5回にまで減る。まさに現代は涙不足の状況をつくり出していると言える。

エアコンの使用とともに、ますますドライアイの人が増える傾向にある。

ドライアイの具体的な症状は目の痛み、疲れ、乾き、しょぼしょぼ感、長く目を開けていることができないなどだ。

涙を補うためには人工涙液の利用をお勧めする。ただしコンタクトレンズ使用者や、角結膜に傷があるドライアイの人は防腐剤が入らない人工涙液でなければならない