『第66話』 骨粗しょう症は食事で予防可能

骨の密度が減る骨粗しょう症は、圧倒的に女性に多い。男性では80歳で、女性では65歳で約半数の人が骨粗しょう症になると言われる。

女性には出産と授乳という役割がある。3,000グラムの赤ん坊を出産したとすると27グラム、さらに1年間の授乳で84グラムのカルシウムが消失する(体重60キロの人なら1キロのカルシウムが蓄えられている)。しかし、この時期はカルシウムの吸収率が非常に高まるので、意識してカルシウムを摂取すれば十分に補える。

女性にとって最も不利な条件は、閉経があることだ。女性に生理をもたらす女性ホルモンは、一方でカルシウムの吸収を助け、骨の形成に大いに役立っている。閉経と同時に女性ホルモンの分泌が止まると、次第に骨からカルシウムが抜け出ていく。特に閉経後5年間はカルシウムの消失率が大きいため、積極的に摂取することが大事だ。

卵巣手術などによって人工的に閉経状態になった人や無月経、生理不順の人も骨粗しょう症に進みやすい。また、成長期にダイエットをすると、カルシウムが乏しいまま骨だけが膨張して中身がカスカスのもろい骨になる。

女性に限らず男性でも1日約1グラムのカルシウムを取ることが骨粗しょう症の予防になる。牛乳200ミリリットルで5本分だが、乳製品や魚介類をうまく組み合わせて食べるようにしたい。

シイタケに含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を助ける。日光に当たると紫外線が体内のコレステロールをビタミンDに変え、同様の働きをする。日光浴は木陰で当たる程度でも十分だ