『第67話』 疲労の回復にはビタミン補給も

24時間不眠不休で活動する日本経済。それを支える働き盛りの人に、何となくだるい、精神が集中できない、年中風邪ぎみだといった不定愁訴を訴える人が多い。ドリンク剤の売れ行き好調の背景にも、こうした疲労を回復させたいという願望が根底にある。

疲労はだれでも感じたことがあるが、自覚症状は体力、体質によって異なり画一的なものではない。その原因は、新陳代謝活の異常に基づいていると考えられる。

人間にはホメオスターシスという、ある一定の身体的、精神的状態を維持しようとする機能が働いている。暑いと汗が出て、体温を一定に保とうとするのもこの働きによるものだ。

自覚はないが、汗を多量にかく前、熱を放散し。ようと末しょうの血管が拡張し、皮膚表面の血流量が増え、新陳代謝が活発になる。これと同時に血圧が下がる。これらのバランスが崩れると、身体がだるかったり集中力が働かないといった症状が出てくる。

疲労を早く回復させるためには、ホメオスターシスが正常に働くような環境をつくることだ。

硬くなった身体をぬるめのおふろでほぐし、適度のマッサージで全身の血液循環を促進する。そして十分な睡眠をとることだ。

疲労がたまると、軽い脱水状態やビタミン不足になっていることもある。水分の補給は、塩分とともに出ていってしまうため塩分を少し含むスポーツドリンクで補給した方がよい。

ビタミンB群、Cは水溶性ビタミンで、やはり汗とともに体外に出てしまいがちだ。特にビタミンB群は身体の代謝に関連した補酵素として働いているため、不足するとだるさを生む原因となる。

こうしたビタミンは日常の食事で補うべきだが、疲労が激しい場合には、総合ビタミン剤で補給することも必要だ