『第79話』 タンパク質取り肝臓いたわろう

酒好きにとってはうれしい忘年会シーズンの到来だ。しかし本人がいい気分になっている間、肝臓がせっせと働いていることを忘れてはならない。

酒に強いかどうかはその人が持つアルコールを分解する酵素の量に関係し、肝臓が丈夫かどうかとは全く関係がない。酒で肝臓を悪くする人はほとんどが、いわゆる酒に強い人たちだ。

アルコールは90%以上が肝臓で処理される。しかもアルコールが次々と入ってきても、一時的にそれを貯蔵する場所が体内にはない。そのため体内のアルコールがなくなるまで肝臓は働き続けることになる。

適正飲酒の目安に「二の原則」というのがある。酒2合、ウイスキーはダブルで2杯、ビールは2本、20度以上の酒はストレートで飲むな、そして休肝日を2日設けよ、というものだ。

肝機能が悪くなると、疲れやすく、吐きっぽくなる。酒量も次第に落ちてきて、脂っぽいものが鼻につき、肌にもつやがなくなり黒ずんでくる。

深酒をすると首、胸、肩などに赤い班点がでたり、右の腹部が重くなる、男性なのに乳房が大きくなったなどの症状が出たらすぐに検査を受けるべきだ。

肝臓の検査はいろいろあるが、中でもアルコールを多く飲んでいる人はr-GTPという値が高くなる。

肝臓は再生力の強い臓器だが、酒のさかなには良質のタンパク質を十分に取り、いたわりの気持ちを忘れないでもらいたい