『第97話』 分からない薬は専門家に相談を

平成4年度、県薬剤師会医薬品情報センターには延べ420項目にわたる、388件の問い合わせがあった。

このうち一般からの問い合わせは約46%で179件。

問い合わせの中で多いのは、やはり薬の副作用についての質問だ。

副作用のない医薬品はない。自分が服用している薬について正しい知識を持つことは発疹(はっしん)や嘔吐(おうと)といった副作用が出た場合、初期のうちに対応できる態勢を整えておくために重要だ。

しかし自分で薬を調べてあれこれと心配することは、むしろ治療の上で逆効果を及ぼすことさえある。調べたが分からない、専門用語が意味不明といったときにはうやむやにせず、医師や薬剤師に問い合わせる習慣をつけたいものだ。

もしも副作用が出た場合には、服用を中止してすぐにかかりつけの医師に診てもらう。

副作用の発現を確認した医療機関、製薬メーカーには薬ごとに副作用の発現状況を把握して、厚生省に報告するシステムがある。より安全な薬の使い方を求めて医薬品情報の収集が行われている。

誤飲・急性中毒の問い合わせは8件あった。子供の誤飲で一番多いのはたばこを食べてしまったというものだ。たばこ1本に含まれるニコチン量は子供の致死量。家庭内危険物の管理にも注意が必要だ。不明の点があれば当センターへ問い合わせを