『第101話』 女性の尿失禁に運動がおすすめ

尿失禁にも定義があり、「尿が不随に(その意志がないのに)漏出してしまい、社会的・衛生的に問題となる状態」のことをいう。

子供や老人のおもらしというのは仕方がないこととしてあまり問題視されてこなかった。しかし高齢者社会を迎え、尿失禁を訴える患者が増えてきたことや、30代で尿失禁を経験する女性がかなり多く、尿失禁に悩む女性が推定で.300万人以上いることなどから、いくつかの大学病院に尿失禁専門外来が置かれるようになった。

尿失禁の中でも約70%以上を占めるのが腹圧性尿失禁といわれるもので、せきやくしゃみをした時、重い物を持ち上げた時、階段の上り下りの際などに、瞬間的に尿が漏れてしまう。これは圧倒的に出産を経験した中年女性に多い。女性は尿道が短い上、加齢、出産、便秘などで骨盤底筋という筋肉が弱くなり、瞬時にぼうこうに圧力がかかった時、尿道括約筋がそれに対応できなくなる。このタイプは次に紹介する骨盤底筋運動で、早ければ1、2週間、遅くても2、3カ月で失禁を防げるようになる。ただし毎日決められた回数を守り実行することが必要だ。

①リラックスして足を肩幅ほど開く。背筋は伸ばす
②こう門を体の内側に引き上げる気持ちで意識的にこう門を締める
③その状態で5つ数え、あとはゆっくり緩める-これを1日40回を目標に繰り返す。

重症の場合は手術か必要だが、20分ほどで済み、治癒率は高い