『第104話』 待ち時間短縮へ、パソコンを利用

情報機器の普及にはめざましいものがあり、ファクシミリ、パソコンのある家庭も多くなった。

当情報センターもパソコン通信によって各県薬剤師会にある医薬品情報センターと結ばれ、各種情報の検索や問い合わせができる体制が整備されている。

また、秋田市薬剤師会では全国でも珍しいパソコンを利用した備蓄医薬品検索システムが平成4年4月から稼働している。

「備蓄エイド」と名付けられたこのシステムによって、秋田市内の各。薬局におかれている医薬品をすべて把握し、必要な医薬品がどこの薬局にあるかを知ることができる。

このように地域の薬局が協力し、備蓄された医薬品を管理する必要性があるのは、医薬分業が進み多種の医薬品を供給する必要があるからだ。

しかし、薬局ごとに約14,000種もの医療用医薬品をすべて備蓄することはできない。このため地域の薬局が協力し、医療用医薬品を融通し合う体制が整備された。

このような背景があって秋田大学医学部附属病院から発行される処方せんを各薬局がファクシミリで受け付けることも可能となった。

ファクシミリ分業といわれるこの方式は平成元年に国立名古屋病院で始まった。処方せんを病院からファクシミリで自宅近くのかかりつけの薬局に送り、持参した処方せんと引き換えに蘂をもらう。

その目的は、待ち時間の短縮と医薬品の適正な服用を図ることにある。従って、自宅の近くに患者の自由意思によって「かかりつけ薬局」を持ってもらう必要がある。その薬局で、大衆薬を含めた薬歴管理を行ってもらい、重複投与や相互作用の確認、保管方法、服用時に注意することなど薬についての十分な説明を受ける。分からないことがあればその時に聞くことも必要だ。

大館市立総合病院でもすでに2月からファクシミリ分業が行われている。適正な医療を受けるには薬とともにその医薬品情報を入手することが必要だ