『第109話』 航空機の中では水分補給が大切

夏休みに海外旅行を計画している人も多いと思うが、ふだんと違った生活になることを念頭において楽しい旅にしてほしいものだ。

航空機内は一般に温度が高く、空気が非常に乾いている。通常の湿度の6分の1程度まで乾燥するときもあり、鼻の粘膜が乾いて鼻血が出やすくなる人もいる。機内ではうがいをしたり、水分を多く取ったりすることが大事だ。ただし気圧の変化で、地上にいるときよりも酔いやすくなっているので、アルコールでの水分補給は要注意である。

飛行機の急激な上昇や下降があると、機内の気圧が変化して一時的に耳が聞こえなくなったり、痛くなったりする。この場合はチューインガムをかんだり、あくびをしたり鼻口をつまんで軽く鼻から息をはいてみたりし、乳児にはおしゃぶりをしゃぶらせておくとよい。

また、空気中の酸素量も通常より15~25%ほど少なく、人によっては視力の減退、疲労、頭痛、めまいが起こる。このときはスチュワーデスに申し出る。慢性閉塞(へいそく)性呼吸器疾患の人は事前に航空会社に連絡し、酸素供給装置を準備してもらうとよい。

携帯すべき物としては風邪薬、胃腸薬、手指の消毒薬、ばんそうこう、蚊取り線香、防虫スプレーなどが挙げられる。

錠剤は1個ずつ包装されているヒートシール式が便利。また、薬品名がすぐ分かるように薬品名のついた包装部分ははぎ取らないようにする。白い粉末の薬などの場合、税関で麻薬と間違えられて足止めされることもあるからだ。薬品の添付文書(できれば英文の説明書)を持参すれば、トラブル防止に役立つ。海外旅行の際の携帯薬品については医療機関、薬局などで相談に乗ってくれる