『第112話』 おむつかぶれの防止に心遣いを

紙おむつの特徴は、たくさんのおしっこを吸い取っても、おむつの内側は意外にさらっとしていることである。

紙おむつの中に入れられている物質は、コメ、イモ、トウモロコシなどに含まれるでんぷんとアクリル繊維の原料であるアクリロニトリルを結合させたものである。この物質は高吸水性高分子と呼ばれ、紙おむつの重さの30~50倍の尿を吸い取ることができ、圧力を加えても吸収された水は出てこない。このことが紙おむつの快適さにつながり、その交換回数を少なくさせてしまう。

しかし実際はぬれたままのおむつをしていることに変わりはなく、赤ちゃんの体温で尿が徐々に蒸発し始める。すると、尿に含まれるアンモニアが刺激物となって、おむつかぶれを誘発してしまう。

これを防ぐには赤ちゃんのおしっこをする時間をある程度把握し、3、4時間ごとに紙おむつを交換しなくてはならない。

また、おむつを替える度におしりをぬるま湯で洗うようにすると、おむつかぶれはかなり防げる。赤ちゃんのおしりは柔らかいので、こするとそれが刺激となりかぶれが悪化する。おしりをそっとたたくように洗うとよい。

おむつかぶれには接触性皮膚炎とカンジダ症の二つがあり、薬の使用方法が全く異なる。炎症が激しいとき使用するステロイド剤はカンジダ症を悪化させる。おむつかぶれがどちらによるものかは素人には判断がつきにくいので専門医に相談することを勧める