『第136話』 体外衝撃波使い尿路結石粉砕も

尿路結石を治療する方法には結石を溶かす方法、尿量を増やして排せつを促す方法、小さく砕いて排せつさせる方法、内視鏡を使って取り除く方法などがある。

結石を溶かす方法をとる場合は、結石の成分や患者の既往症を知る必要がある。高尿酸血症や痛風などの疾患があると生じやすい尿酸結石は、尿をアルカリ性にすると溶けやすくなるので、尿をアルカリ化するクエン酸製剤と尿酸の排せつを促進するアロプリノールを服用させる。併せて水分を多く取ること、尿酸値を引き上げるプリン体を多く含むレバーや動物性タンパクを控えることも大切だ。シスチン結石というアミノ酸を主成分とした結石では、同様に尿をアルカリ性にするとともに。α-メルカプトプロピニオールグリシンを服用して溶解を促進させる。しかし、極端なアルカリ化はリン酸カルシウムを析出させる恐れがあるので注意が必要だ。

直径5ミリ以下であれば多めに水分を取ってもらい、利尿剤とワゴスチグミン、ビタミB1といった尿管運動を促進する薬物を使って、自然に排せつされるのを待つ。

最近注目されているのが体外衝撃波結石破砕術(ESWL)だ。超音速で飛ぶ飛行機から出るソニックブームは窓ガラスを割るが、これを応用したものと考えてもらっていい。この衝撃波によって結石を粉砕し、尿とともに排せつさせる。施術中に痛みは伴うが、入院の必要はない。しかし、硬いシュウ酸カルシウム結石や、大きくなるリン酸マグネシウムアンモニウム結石の場合には他の方法がとられる。

内視鏡を使う場合は結石の位置によって挿入する方法が異なり、1週間程度の入院が必要となる。腎孟(じんう)結石は背中から内視鏡を挿入し、レーザーや超音波を使って粉砕して取り除く。尿道、ぼうこう、尿路にできた結石であれば、尿道から挿入することもある。

尿路結石は再発することが多いので、治療後は医師の生活指導を守り、定期的に検査を受けることが必要だ