『第149話』 処方せんの内容、情報伝達の手紙
本県の医薬分業率は約30%で佐賀県に次いで2番目である。健康展で行ったアンケートでも処方せんをもらったことがあると答えた人が74%いた。
医療機関から発行される公文書には診断書や出生証明書などがあるが、最も多く発行されているのが処方せんだ。
処方せんに記載すべき事項は医師法施行規則第21条、保険医療機関及び保険医療養担当規則によって定められている。さらに、鎮痛剤として使われる麻薬を処方する場合には麻薬及び向精神薬取締法による規制がある。
処方せんには患者の氏名などが記載され、だれに処方されたのかが特定される。年齢と性別は薬の種類や量が適当であるかを判断するときの目安となる。また、この処方せんがどこの医療機関から発行されたのかを明らかにするために、医療機関名、医療機関の住所か医師の住所を書き、医師が署名する。医師名がゴム印などで押されている場合には押印が必要だ。
患者の知る権利や医療情報の開示として、重要な情報が記入されているのが処方と書かれている欄だ。薬名には名称、剤形、規格単位の3要素が盛り込まれる。似た名称の薬が多数あるので、薬の商品名または一般名は省略して書くことができない。同じ薬でも錠剤やカプセル剤があるのでその剤形を書く。また、同じ薬でも成分量が違う薬があるので、その規格単位を明確にすることが要求される薬の分量は1日に服用すべきトータル量が記載される。頓服薬(とんぷくやく)の場合は1回分の量だ。用法、用量も必ず記載が必要で、服用する日数や1日何回、いつ服用するのかといったことが明記される。
処方せんは医師から薬剤師にあてられた情報伝達の手紙だが、その内容を自分自身でも確認し、かかりつけの薬局に持参してもらいたい