『第159話』 健康食品の効能、怖い口伝え情報

プルーン、クロレラ、かきエキス、ロイヤルゼリー、キチン、キトサンそして野菜ジュース、さまざまな健康食品が健康になりたいという願望を揺り動かす。その背景には医療や薬に対する不信感と不安な気持ちが見え隠れする。

健康食品の誤った効能効果は、人から人へ口伝えに広がっていく。ときには情報と一緒に健康食品を友達同士でやりとりする。信頼している友人からの情報とともに譲り受けた贈り物は、かけがえのない薬となる。やがて健康食品の効能効果はそれがあたかも事実であるかのように健康食品神話が確立する。

しかし、健康食品の効能効果を保証してくれる公的な機関はない。一方、大衆薬や医療機関で渡される薬は立証された具体的なデータを基に薬事法によって厚生省が保証している。

さらに、薬事法に規定された薬以外のモノをがんに効く、高血圧が治るなどと表示して販売すれば、明らかに薬事法違反となる。また、医師以外の者が体に触れるなどの診療行為をしたとなれば医師法違反で検挙される。

健康食品神話に凝り固まった人は「薬は毒だ」「健康食品が確実に効いた例がある」と反論する。

確かに薬を毒としてみることは間違ってはいない。しかし、人は毒物を医薬品として適正に使用するための知識を持ち合わせている。医療を提供する者と患者がともに情報を提供し、理解して一緒に治療に取り組むことが重要だ。厚生省が指定した特定機能食品以外の健康食品が確実に効くという学問的な証拠はなく、非常に不確実だ。中には研究中のモノもあるが、確実に効果があるとなればやがて薬として登場するモノもでてくる。と思われる。

一番怖いのは口伝えに伝えられる情報だ。健康食品に関する情報はもう一度専門家に確認しておく必要がある。基本的に、健康食品を薬と同じレベルで論ずるところに問題があるようだ