『第180話』 風邪の予防には3原則を守ろう
くしゃみ、鼻みず、鼻詰まり-今年も風邪の季節がやってきた。こうした呼吸器症状を主体に、発熱、頭痛、下痢、吐き気、けん怠感といった全身症状を呈し、数日で治癒する急性呼吸器感染症を風邪症候群という。
その原因の大部分はウイルスだ,代表格は流行性感冒を起こすインフルエンザウイルスだが、このほかにもライノ、コロナ、パラインフルエンザ、RSV、アデノウイルスなどが風邪症候群を引き起こす。
特にこうした風邪邪の原因となるウイルスは低温と乾燥に強い。人の抵抗力の低下と相まって、日本の冬の環境はウイルスにとって非常に活動しやすい状態となっている。
インフルエンザウイルスなどを殺菌する原因療法はない。従って現在のところ、症状に合わせ、これを軽減する対症療法しかない。
風邪はとにもかくにも、予防に努めることが肝要だ。予防の三原則はマスク、うがい、手洗い。
くしゃみとともに飛び散った分泌物には、相当数のウイルスが含まれている。これが口や鼻の粘膜につけば風邪をひく。ヨード過敏症がなければ、薬局・薬店で購入できるポピドンヨードうがい薬を使うといい。また、鼻風邪の原因となるライノウイルスは、だ液より鼻汁に多くいて、手から手へ感染しやすい。汚染した手で鼻をこすれば鼻風邪をひくことになる。
もう一つの予防法は簿着や乾布摩擦で皮膚を鍛錬することだ。自律神経の働きが強まって、少々の気温変化でも体がすぐに対応し、体調が崩れにくくなる。
大衆薬を使って3日で回復に向かわなければ、マイコプラズマ肺炎や溶連菌感染症が疑われるので受診する。特に子供や老人、妊婦や循環器系疾患がある人は、早めの受診を勧める。
風邪は万病のもとといわれる。ほかの疾病への入り口にならないように十分な休養を取り、早めに対処してほしい