『第181話』 プリムラの花もかぶれの原因に

真冬にもかかわらず、園芸店の店先には鉢植えの花々が並べられている。特に、色とりどりのプリムラは春の訪れを告げる花として人気があるが、意外にもこのプリムラにかぶれる人が多い。

春先に、原因も分からず接触皮膚炎のように腕や顔、首に赤いボツボツや水ぶくれが出たことがある人は、プリムラに触れた経験がないだろうか。

プリムラはサクラソウの一種で花、葉、茎すべてにアレルギーを引き起こしやすい物質のプリミンを含んでいる。中でもプリムラ・オブコニカという種類にかぶれる人が多く、治るまで時間がかかるため、プリムラの鉢植えにはかぶれの注意書きが付けられていることもある。

漆やギンナンにかぶれることは昔からよく知られているが、果物のマンゴーやカシューナッツでもかぶれることが報告されている。

マンゴーやカシューナッツは漆やギンナンなどと同じ科に属し、漆のかぶれの原因になる物質によく似た成分を含んでいる。従って、漆にかぶれたことがある人は、これらの食品にも注意が必要だ。

アレルギー体質といっても、アレルギーを引き起こす物質すべてにかぶれるわけではない。特定の個人にアレルギーを起こす特定の物質がある。かぶれないためには、その特定物質を遠ざける以外に方法はない。

薬にも特定の人に発疹(ほっしん)やかゆみ・皮膚炎などを起こすものがある。このような症状が表れたときには服用を中止し、その薬の名前を書き留めておこう。たとえ薬の名前は違っていても、成分が似ている薬は多い。

特定の薬に対しアレルギー症状が出たことがある場合、そのことを医師や薬剤師に伝えておくと、同じタイプの薬が処方されていないかチェックしてもらうことができる