『第189話』 院外処方せん送付、ファクシミリ便利
マルチメディア時代を迎え、ファクシミリサービスなども盛んになり、パーソナルファクシミリを設置している家庭が多くなってきた。
厚生省から発表されている医薬品副作用情報も、
TのFネットに加入していれば、通信代だけで手軽にだれでも最新情報を入手することが可能だ。
処方せんをかかりつけの薬局に送信するファクシミリコーナーは、県内では大館市立総合病院を皮切り秋田大学医学部附属病院、秋田社会保険病院、由利組合総合病院などの医療機関に開設され、4月からは新たに市立秋田総合病院でもオープンした。
ファクシミリによる院外処方せん送付は、名古屋国立病院で平成元年11月から始まっている。
このシステムによって待ち時間を解消することもできるが、それよりも患者さんの住居近くにかかりつけの薬局を持ちやすくするということが最も重要な目的だ。
高齢化社会を迎えて、疾病構造が多様化し、内科や皮膚科など多くの診療科にかかり、それぞれの医療機関から薬が与薬されるようになってきた。
一方で、より効果のある薬が開発され、年々その品目数が増加し、ソリブジン事件に見られる薬の飲み合わせの問題や効果が同じ薬の重複投与をいかにして確認するかが重要な課題となっている。
こうした問題を解消する手段の一つとして、かかりつけの薬局を住居近くに持ってもらい、家庭内で起こる大衆薬の回し飲みによる飲み合わせなども含めて、薬を服用した歴史を記録して一元管理し、理解をいただきながら医薬品の適正使用を図ることが必要になる。
同時に、これを使う薬剤師の教育を充実させることも重要で、今世紀中には薬剤師教育6年制が実現しそうだ。
ファクシミリコーナーからの送信代は受け取った薬局が負担するので、患者さんは無料で利用することができる