『第228話』 多様な検査方法、CAPDが増加

腎臓(じんぞう)病は定期検査で発見されることが多い。体がだるい、食欲がないといった自覚症状が出てからでは手遅れだ。

腎臓病の原因はさまざまで、糖尿病で血糖値のコントロールが悪いために腎臓の機能が低下する糖尿病性腎症の人が増えている。

腎機能を調べる方法には尿中のタンパク質を検査するテストペーパーが市販されているが、赤血球を検出する方法やどのようなものが出てきているか調べる尿沈渣(さ)検査がある。このほかにも、1分間当たりどれくらいの血液をろ過する能力があるかを調べるクレアチニン・クリアランス検査がある。正常な人ならば1分間当たり100ミリリットル程度だ。

腎臓病というと血液透析を思い浮かべる人が多い。血液を体外へ出し入れするためのブラッドアクセスを患者の血管に着けて人工透析器につなぎ、週2、3回、1回3、4時間透析する。

この方法は頻回の通院を必要とするため、治療しながら生活の質も確保しやすいCAPD(連続携行式腹膜かん流)を希望する人も増えてきた。

人の腹膜は2平方メートルあって、腎臓や人工透析器の総ろ過面積約1.5平方メートルよりも広く、十分に透析膜として使用きる面積を持っている。

ブラッドアクセスのトラブルを繰り返す人、循環器系障害のある人、乳幼児では絶対的適応になる。しかし、腹膜の癒着を起こす人、高脂血症、感染を繰り返す人には向かない。

消毒を行い無菌的に操作する必要があるので、十分な訓練も必要だ。

最近はCAPDに使うかん流液を処方せんでもらうことが進められている。かん流液は症例に応じて調整する必要があるので無菌設備がいる。今後、在宅医療や地域医療へ貢献することを目指して、こうした設備を整える薬局が増えてきた