『第231話』 薬の名前を知り書き留めておく

風邪薬・痔(じ)疾患・胃薬・ドリンク剤とさまざまな薬のCMがテレビに登場するが、すべて大衆薬で医療機関から処方される医療用薬は登場しない。

これは宣伝しないのではなく、法律で宣伝できないことになっているからだ。

よく耳にする薬は覚えるが、自分で服用している薬の名前を知らない人が多い。

医療や薬の情報がはんらんする中で、総論編よりも必要とするのは自分にかかわる各論編だ。薬の話を聞きたいのだが、何を聞いたらよいのか分からないということが多い。その入り口になるのが、薬の名前をまず知ることだ。

処方せんが出ているのなら、そこには基本的に薬の名前、1日に服用する薬の量、服用間隔もしくは服用する時点、使い方が書かれているはずだ。

処方せんが発行されていないのであれば、医療機関に問い合わせるか、もしくは錠剤やカプセル剤に書かれた番号を基に書店で売られている薬の本でも知ることができる。

また、どの薬局でも薬の問い合わせに応じている。効能効果、副作用とその対処方法、注意すべきこと、薬はあなたの健康を守るものであって、問い合わせることに遠慮はいらない。

最近はパソコンで使うCD-ROM版の薬の辞典もあって、十分な情報が簡単に入手できる。

薬の名前が分かったら書き留めておき、他の診療科に受診した時には必ず医師に伝えることが必要だ。

阪神大震災の時に、救護所を訪れた人たちが自分の服用している薬を知らなかったために、医師や薬剤師が同じ薬を欲しいと言われて大変困ったという苦労話もある。

秋田沖には地震の空白域があって、地震計が設置された。服用している薬は書き留めておき、地震に備えることも必要だ