『第243話』 「F」の4タイプ、胆石にご用心!
超音波検査の普及によって、胆石は見つけやすい疾病となった。腹部にゼリーを塗り、超音波エコー装置を当てて検査する。健康診断で胆のうに石があることが分かった人も多いのではないか。
胆石は日本人の10人に1人が持っているといわれる。5ミリ以上の大きさの胆石ならば、95%以上が超音波検査で見つけられる。しかし、胆管に石がある場合は見つけにくく、エックス線を使う内視鏡的逆行性胆管膵(すい)管造影法などを組み合わせて検査する。
かつて胆石は疝痛(せんつう)という激しい痛みがあって分かることが多かった。痛みはみぞおちから始まって右上腹部に集まり、右肩甲骨下に抜ける。
疝痛発作は食事と関連があり、脂っこい食べ物を多くとる夕食後から夜半に起こることが多い。食後は胆のうが収縮して胆汁を消化管に排出する。このとき胆石が胆のうの出口や総胆管に引っ掛かり、平滑筋が痙攣(けいれん)を起こして発作につながる。
痛み止めには、臭化ブトロピウムや臭化ブチルスコポラミンなどの鎮痙剤とスルピリンや合成麻薬といった鎮痛剤を併せで使う。
疝痛発作を起こす人は胆石がある人全体の20%で、急性の胆のう炎を併発している。疝痛発作に至らず、腹部の不快感や鈍痛、吐き気といった症状を訴えたり、サイレント・ストーン(無症状結石)として全く知らずに過ごしたりする人も多い。
体質的に胆石のできやすい人がいる。家族や親類に胆石のある人がいたら要注意。
胆石になりやすい人は頭文字が「F」の4タイプ。▽Fi
(元気で脂っぽい食べ物が好き)▽Fatty(体格が良くて小太リ)▽Female(女性)=男性の2倍の有石率▽Forty(40歳以上)で、これに当てはまれば特に注意が必要だ