『第319話』 薬を買うときは副作用の相談を
ゲット・ジ・アンサーズ(4)
その4は「副作用は?」という質問だ。
薬事法、薬剤師法で薬剤師には医薬品情報を提供しなければならない義務が課せられている。しかし、副作用について誤解がないよう患者さんに伝え、なおかつ医師の治療方針を妨げないように理解してもらうことは難しい。
副作用のない薬はない。病気の治癒を期待する効果を主作用といい、これと逆の期待しない効果を副作用として考える。問題はこれが一体としてその薬理効果となっている点だ。主効果だけを発揮させることはできない。
誤解で最も困るのは、副作用は怖いものだという印象を持ってしまわれることだ。この誤解によって本来治療のために必要な薬を服用しなくなってしまうことが起こる。
たとえ白血球が減少して感染症にかかりやすくなったり、髪の毛が抜ける副作用を持つ抗がん剤でもそれを知りつつ注意しながら有効性と安全性を天秤(てんびん)に掛けて治療のために使用しなければならない。
薬の副作用には、軽いものから、まれに命にかかわるようなものまでさまざまである。薬の副作用を知っておかなければならない理由は、副作用が発現したときにすぐに対応がとれるようにしておくためだ。
従って副作用について質問するときは、その初期症状についての知識を得ておくのだという観点で質問することが重要になる。
副作用かなと思ったら、とりあえず薬の使用をやめて、医師や薬剤師に確認することが大切だ。肝臓や腎(じん)疾患の既往歴のある人、高齢者は副作用が強く出る可能性があるので特に注意が必要だ。また、過去に薬や食物によるアレルギー歴のある人、妊娠している可能性のある人なども注意が必要となる。このような人は、受診したときや薬を買うときなどに、医師や薬剤師にその旨を告げることが大切だ。