『第352話』 新たに指定された麻薬
6月21日から7月21日までの1カ月間は「ダメ。ゼッタイ。」普及運動になっている。何が「ダメ。ゼッタイ」かといえば、麻薬・覚せい剤の乱用である。既に6月26日には大曲市で「ダメ。ゼッタイ」麻薬・覚せい剤乱用防止街頭キャンペーンが実施された。きょう28日は、これに引き続き、秋田市、横手市で実施される。
麻薬・覚せい剤といっても個々の成分ごとにみていくと、麻薬だけでも133種類ある。
6月12日、麻薬及び向精神薬取締法によって、新たに2C-B(四-ブロモ-二、五-ジメトキシフェネチルアミンおよびその塩酸塩などの塩類)が規制対象の麻薬として指定された。
この指定は、来月12日から施行され、この時点から2C-Bを含有するものを所持すること、使用すること、人にあげたりもらったりすること、製造すること、国境を越えて輸出入することなどはすべて禁止され、違反者は刑罰の対象となる。この薬物がインターネット上で代行輸入されていたために話題になったが、所持している人がいれば、施行日までに各地の警察署もしくは県医務薬事課に出向いて、所有権放棄による国庫帰属手続きを取ってもらいたい。
法律上、違法な薬物であるか否かは、その物質の化学構造式によって決まる。これを逆手にとって、密造者は「違法」とされている薬物の分子構造の一部を変え、類似薬物を合成して流通させることがある。これを通称「デザイナー・ドラッグス」というが、中には元になった薬物の数百倍も強力なものもあり、非常に危険だ。2C-Bもこれに属し、既に米国、オランダ、英国、ドイツなどでは規制の対象となっていて、WHO(世界保健機構)でも向精神薬条約での指定を検討している。
麻薬や覚せい剤などの撲滅を叫ぶのには2つの大きな理由がある。1つは廃人になることを防ぐこと。もう1つは、社会的な危害を未然に防止することだ。
自分とあなたの将来のために麻薬・覚せい剤の乱用撲滅を叫ばなければならない。