『第367話』 関心高まる医薬品情報

毎年10月17日からの1週間を「薬と健康の週間」として、県、県薬剤師会、県薬種商協会、県医薬品卸組合の主催で、医薬品関連の各種催しを行っている。

今年は「健康へのハットトリック-健康は食事・運動・薬の情報で」をメーンタイトルに、17日から大曲市タカヤナギ・イーストモールで「健康展」を開催している。あす、19日午後3時からは大曲仙北県民体育館において、田沢湖ハーブガーデン「ハートハーブ」から青木妙奈子先生を迎え、「ハーブのある暮らし、心と体のアロマヒーリング」と題する講演会を開催する。

健康展は県内だけでなく、全国各地で行われている。1回目の「薬と健康の週間」は戦後間もない昭和24年に実施されている。このころの資料を読むと、「病識と薬識を身につけて頂く」という言葉が出てくる。なんとも難しい表現だが、今でいう「インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)」と同様の思想があったことがうかがわれる。医療関係者から病気や薬のことを話されても、基礎的な知識がなければ同意することもできない。

現在は、医療情報の開示を誤解のないように進めるにはどうしたらよいのかといったことも検討されている。

最近感じる歓迎すべき変化に、患者さんが薬に対して今まで以上に関心を寄せるようになってきていることがある。

先日も、「診療所の窓口で薬のことを尋ねたが何も教えてくれなかった。白衣を着た女性は薬剤師だと思うが薬剤師会はどのような指導をしているのか」という苦情があった。診療所とはいわゆる医院のことをいうが、診療所に薬剤師を置く義務はなく、特殊な例を除いてほぼ100%薬剤師がいないので、診療所では直接主治医にお問い合わせくださいと回答した。

われわれ県薬剤師会では「ゲット・ジ・アンサーズ(答えてもらおう)」という合言葉をテレビCMなどを使って啓もうしている。医薬品情報を入手する糸口は①この薬の名前は?②効果は?③服用するときに注意することは?④副作用は?⑤ほかの薬や食物との飲み合わせ、食べ合わせは?-の五つ。この五つの問いを正しく把握することから始まる。掛かりつけの薬局では、さまざまな相談に応じている。