『第384話』 10万円超の医薬品は控除対象

確定申告の時期を迎えた。医療費が年間10万円を超えている場合には、医療費控除が受けられる。

医療費控除を行うためには、医療機関などに支払った証明書がいる。証明には、医療機関から受け取った領収書がいる。医療機関に通うためにバスや電車などの公共交通機関を使った場合には、利用した年月日、公共交通機関の名称、区間名、費用を自分自身で記録したものが必要なので、必ず記録して保存しておきたいものだ。通院のために自家用自動車を使ったときのガソリン代や駐車場の使用料は認められない。

自分の医療費が医療費控除を受けることができるかは、次の条件に当てはまるかを検討してもらいたい。①美容・予防目的ではなく、治療または療養が目的である②医師の指示によって治療を受けている③ほかに選択の余地がない。

薬局・薬店で風邪や胃痛でOTC薬(大衆薬)を購入した場合には、医療費控除の対象になる。保健、美容目的のビタミン剤の購入は対象外で、あくまで条件の①に該当しなくてはならない。

歯科医にかかり、保険外診療で金歯を入れた場合にも医療費控除が認められる。一般的治療として定着している治療法であれば可能だ。大人が美容目的で歯並びを矯正しても条件①に該当しないため認められないが、子供の口腔発育時期における矯正は治療となり、控除の対象となる。

療養上の世話を受けるために特別に依頼した人に払った費用も対象になる。

医療費から、保険により給付される入院給付金と10万円(所得額が200万円以下の場合は所得額×5%)を引いた金額が控除額となる。

医療費控除は所得税だけではなく住民税の節税にもつながる。詳細については最寄りの税務相談室に問い合わせていただきたい。

医療機関の領収書および薬局・薬店などでもらった領収書には医薬品名とそのときの症状を記載して必ず保存し、医療費控除が受けられるときに利用したい。