『第429話』 非常時には「中毒110番」へ

緊急非常事態に備える。いわゆる危機管理体制を整えておくことほど難しいことはない。いつ事故が発生するか分からないが、ないと困る。しかも、初期費用や維持費を相当覚悟しなければならない、ということが体制の整備を躊躇(ちゅうちょ)させる。

現在、県内で誤飲、急性中毒に関する問い合わせを24時間受け付けている所はない。日中であれば、最寄りの薬局や医療機関へ問い合わせればよい。当センターでも受け付けている。

しかし、夜間、休日となると問い合わせ先は限定されてくる。その一つとして、インターネットの利用がある。財団法人日本中毒情報センター(通称・中毒110番)=http://www.j-poiso

ic.or.jp=のホームページでは家庭用品と植物関係の急性中毒情報データベースの検索が可能だ。

1998年、県内から中毒110番に電話で問い合わせた1年間の件数は、一般市民67件、医療機関55件、その他2件の計124件であった。全国では、一般市民27,196件、医療機関8,323件、その他606件で計36,125件となっている。対人口10万人比の全国平均と比較すると約3分の1の問い合わせ件数となっている。事故発生率が全国どこでも変わりないとすれば、問い合わせ件数が少なすぎる。その原因が問い合わせ先が分からないということであれば問題だ。

中毒110番は、1分間100円の情報提供料に通話料が掛かるダイアルQ2電話になっている。電話番号は0990・50・2499(大阪)=24時間無休=と0990・52・9899(つくば)=12月31日から1月3日を除く午前9時から17時まで。誤飲事故が一番多いたばこに関する内容は電話番号が06・6875・5199(通話料のみ)で、自動音声テープによる案内を流している。

当センターの電話(018・834・8931)にかけると、中毒110番Q2ダイアルの電話番号を夜間、休祭日24時間自動音声案内するシステムを今月1日から開始した。中毒110番の電話番号を知りたいときに利用してもらいたい。

特に、乳幼児や高齢者がいる家庭では、主治医やかかりつけ薬局などの問い合わせ先の電話番号を書いて救急箱に貼り、ぜひ緊急非常事態に備えたい。