『第433話』 薬物乱用問題相談窓口の開設
覚せい剤の押収量が増加している背景には、乱用者の低年齢化と一般市民へ深く浸透しつつあることがある。近年の検挙者数の増加はこのことを裏付けている。
乱用される薬物は覚せい剤だけではなく、有機溶剤、大麻、麻薬、向精神薬、大衆薬、ブタンガスなどだ。
問題は、薬物依存に陥った人たちをどのようにして社会復帰させていくかだ。覚せい剤にはフラッシュバックといって、覚せい剤を使用しなくても、使用したときと同様の錯乱状態が発現する後遺症が残る。シンナーの吸引は脳細胞を死滅させて、記憶障害や人格障害が残り、家族をいや応なしに巻き込んでいく。こうした人を救っていくためには、薬物乱用者を抱える家族を支援する体制が必要だ。
薬物依存は、否認の病気といわれる。自分の力だけで治すことは難しく、気長に治療を受ける必要がある。
家族へは、こうした薬物問題を学ぶ家族教育プログラムや自助グループに参加してもらい、正しい知識を身につけて、本人に対応していくことが回復を助けていくことになる。
厚生省は昨年7月、各県にある「精神保健福祉センター」を拠点として位置付け、相談・指導の窓口を強化する対策をとった。本県では各保健所に「薬物問題相談窓口」があり、一般的な相談に応じるため、協和町にある「県精神保健福祉センター」を紹介している。これと呼応して、県内の各保健所管内ごとには、薬物乱用防止指導員地区協議会が設置されて、薬物乱用防止に関する啓発活動を推進する母体も整備されている。
2月16日と3月15日には県総合保健センターにおいて、午後3時から午後5時まで専門スタッフによる個別相談が行われる。この個別相談は原則予約制になっているので、相談を希望する人は県精神保健福祉センター(TEL:018・892・3773)へ申し込んでもらいたい。その後、2カ月に1回程度、個別相談が開かれる予定だ。