『第445話』 便秘を治す生活習慣を
便秘対策として食事や生活に気を配ることはとても大切なことだ。
便秘に悩む人の多くは、日常の生活において注意すべきさまざまなことについて熟知している。
それでも「思い通りにはならないのでやむを得ず薬を」という人も多いと思う。
大腸の中に居座っている便を出すには便のかさを増やすか、大腸を刺激して無理やり動かすかのどちらかの方法が一般的。
便のかさを増やす下剤は薬自体が水分を吸って大きくなるもので、腸を刺激せず、作用は比較的穏やかだ。
このタイプの下剤で便が楽に出る人は、かさのある便のもとをつくるような食事にすると便秘から解消される。
たとえば、豆や海藻、キノコ、米や麦のはい芽などがそれだ。それに水分を1日に何度もよく取ることだ。
即効性があるのは大腸の粘膜を刺激してたまっている便を出す下剤だ。生薬のセンナや大黄を主成分にしたものが多く、ピサコジルやピコスルファナートと呼ばれる成分もこれに入る。
このような薬剤は、直腸に便が送られてきても直腸が緩んでしまっているために排便の知らせがない直腸性便秘に向いている。
朝の忙しさの中でトイレに行く機会を逃しているうちになってしまう便秘の大部分がこの直腸性便秘である。
排便のリズムをつけるには刺激性の下剤は役立つが、長く飲んでいると腸は自力で排便するのをやめてしまう。また量も増やしていかないと効果が出なくなるなど習慣性がある。また妊婦への使用には適さない。
ただし精神的に緊張しているときは胃腸の動きが止まってしまうので、ストレス下にある時や旅行先などでも便秘になりやすい。
このようなときは一時的に下剤を使用するのは良いとしても、常用すると下痢になる。この便秘の場合、原因は腸ではなく腸をコントロールする神経を統括している脳にある。解決は薬ではなく、リラックスする方法を編み出すほうが良い。
大腸は意外と怠け者だ。大きな便は押し出そうとするが、小食の小さな便は押し出すのは面倒とばかりにためておく。朝食をゆっくりと取るようにし、排便習慣がつけばしめたものだ。