『第451話』 薬効を最大限引き出すには
薬がもっともよく効くような使い方をするにはちょっとしたコツがいる。
たとえば、鼻水や鼻づまりに点鼻薬を使うときは、鼻汁がたまっているところに薬を入れてもあまり効果はない。
まず、市販の生理食塩液か、もしくは0.9%程度の薄い塩水を作り、大きめのカップに入れる。その中に鼻を入れ、ズルズルとその液を鼻の中に吸い込み、よく鼻の中を洗う。
こうすると花粉やほこり、細菌なども洗い流され、鼻の中はきれいになる。ここで点鼻薬を噴霧するか、または滴下する。口の中に落ちてきた薬は飲み込まずに必ず吐き出す。
鼻が詰まって苦しいときは熱い蒸しタオルで鼻を覆い温める。こうすると鼻の粘膜の血管が拡張し、鼻水が出やすくなる。そうしたら鼻をかみ、それから薬を使用すると効果は高まる。
またせき止めの中には痰(たん)を出しやすくする成分が入っていることがある。痰がごろごろとのどにへばりついていると、それを出そうとしてせきが続くからだ。薬で痰を出しやすくしてやるとせきは鎮まる。そんなとき、番茶や温かい飲み物を多く取り、十分な水分補給をすると去痰剤の効果が増す。体に水分が不足していると痰は粘っこくなり切れにくくなる。
胃薬の効き目を引き出すには節制が一番。まず、たばこやお酒はやめる。たばこやお酒は胃の酸度を一気に上げる。
酸度が上がると薬を飲んでもなかなか胃酸を中和できない。残った胃酸の刺激で空腹時でも胃もたれを感じるようになる。また、酸の刺激で胃粘膜も荒れるようになるので胃粘膜を保護、修復する薬も必要になる。
胃粘膜の細胞は2~3日で新しいものと入れ替わるので、何としても喫煙、飲酒が我慢できない人はこの間だけでも辛抱する。胃腸機能が低下している時は規則正しい時間に食べ、量は少なめにする。
水虫になって薬を塗るようになったら靴下を履き、家の中でも脱がないこと。素足になれば家中に白癬(せん)菌をまいて歩くことになる。
水虫(白癬菌)は熱や乾燥に弱い。裸足でげた履きが良いのは水虫を予防する場合だ。
なるべく綿の靴下を選び、薬を塗ったら靴下を履き、水虫の足だけはこうやって1日中薬漬けにしておこう。