『第456話』 お酒は2日に1合が適量

秋田大学医学部の滝沢行雄前教授の報告によると、本県は日本酒の飲酒量が男女ともに日本一なのに肝臓がんや肝硬変の死亡率は最低だという。それに対し、焼酎(しょうちゅう)の消費が多い九州では逆にその死亡率が高くなっている。

ウイスキーやブランデー、焼酎などの蒸留酒の消費量が多くなるとそれに比例して肝臓障害による死亡者数が多くなる。ところが、日本酒だけはそうならないという。

なぜなら「日本酒には有機酸、糖分、アミノ酸、ビタミンなど100種類以上の栄養素が含まれているのに対し、蒸留酒はそれらがごくわずかであるから」と説明している。

カクテルを出す店には、さまざまなカクテルの名前に交じってシャトーリューズなどと書かれたリキュールを見つけることがある。

シャトーはお城、そこで薬として使われたお酒とも解釈できるし、有名なリキュールの処方を後世に残したシャルトルーズ修道院を英語風によんだのかは定かではないが、一気に酔いも覚めるような劇的な味だ。

もともとヨーロッパではワインは薬としても使われていたし、治療効果を上げるために種々の薬草や香草を入れるようになった。

それらは、醸造酒や蒸留酒にも入れられるようになり、リキュールと呼ばれ発展してきた。

中国の古書には、芳香性鬱金(うこん)などのような芳しい香草を入れたお酒は神へのささげものとしたなどの記述があり、酒は神との交流を図るための飲み物でもあったとされる。

また、3世紀ごろ同国で書かれた医学書「金匱要略(きんきようりゃく)」の中には、「キカラスウリの種子とラッキョウを酒で煎(せん)じたものは体を温めて神経痛やしびれ、狭心症に良い。そのままでは効果は薄く、薬酒になって初めて効果を発揮する」と書かれている。

アルコールに溶けた成分は酔いが回るその速さで体に行き渡ってゆく。

最近、赤ワインの中のポリフェノールという物質の有効性も証明され、お酒と上手に付き合うことは健康にも甚だ良いことだ。

ただし、厚生省の疫学調査によると、お酒は2日に1合飲むのが最も健康にいいらしい。

秋田人にはちょっと(かなり?)物足りない量かもしれない。