『第481話』 策定進む「健康秋田21計画」

21世紀を迎え、人々が共に健康でありたいと願っていることでしょう。

この願いを実現していくために、「健康秋田21計画」の策定が進んでいる。

平成12年3月に厚生省は、この発端となる「21世紀における国民健康づくり運動について(健康21)」という報告書を提示している。

この中で、「健康寿命」という新しい言葉も誕生した。個人のみで健康を実現していくには限りがある。これを社会全体で、個人の主体的な健康づくりを支援していこうとするのがその趣旨となっている。

特に重点が置かれているのが「一次予防」だ。生活習慣を改善して、健康増進を図り、生活習慣病などの発病を予防しようとしている。これによって壮年期死亡の減少や痴ほう、寝たきりにならずに生活できる期間(健康寿命)を延長させる考え方だ。

そのためには、具体的な数値目標が必要になる。各地ごとに生活習慣が違い、特色がある。そこで、都道府県、市区町村版が必要となってくるわけだ。

国が設定している目標値は、①栄養・食生活②身体活動・運動③休養・心の健康づくり④たばこ⑤アルコール⑥歯の健康⑦糖尿病⑧循環器病⑨がん-の9分野に90項目が設定されている。

興味を引かれるのが現状の数値で、20歳代女性では肥満ではなく、やせている人が23.3%、男性20歳代は32.9%が朝食を食べず、運動を心掛けている人は男女共に約52%となっている。そのほか、ストレスを感じている人が約55%、高校男子の喫煙率は約37%、飲酒率約52%、歯科医師会で進めている80歳20歯(8020運動)を達成できている高齢者は11.5%、自殺者は31,000人を越えている。

こうした数値を10年後までに改善しようとしているが、相当の努力が必要になる。

特に教育・指導面においては、社会に出ると皆無といっていい。義務教育でも、最も役立つはずの生活習慣病の病態など、医師とのコミュニケーションを図る基礎知識が伝授できていないのが現状だ。

3月には「健康秋田21計画」が発表される。ぜひ、数値目標にトライしてはいかがだろうか。