『第487話』 チンすれば、肩こり解消?

電子レンジで肩こり、腰痛を楽にする。奇異な話だが、話を聞くと納得の製品がある。

首をすぼめると、首の後ろから肩にかけて浮き出る筋肉がある。ちょうど修道僧がかぶるフードに似ていることから僧帽筋と呼ばれている。僧帽筋は重い頭を一定の角度に保って支えている。このほかにも、首を後ろに傾けたり、肩甲骨(けんこうこつ)を挙げる肩甲挙筋(きょきん)や大菱形筋(だいりょうけいきん)などが協力して首を支えるとともに、肩こり原因の筋肉となっている。

読書やパソコンを操作すると猫背になり頭が前に出る。そうするとこれを支えようとして僧帽筋が緊張する。バランスを取るために2~3倍の力がかかるからだ。そのままの姿勢を続けると、筋肉が疲労し乳酸がたまって肩こりになる。

肩こりの原因はこのほかさまざまで、姿勢が原因ではないこともある。頚椎(けいつい)から出た神経根が圧迫障害を受ける「胸郭出口症候群」や「高・低血圧症」「自律神経失調症」「更年期障害」「胆嚢(たんのう)・肝臓などの内臓疾患」「眼精疲労」などがある。

肩こり解消法にはストレッチやマッサージ、温熱療法などの血行を促進する考え方とインドメタシン軟膏(なんこう)などの消炎鎮痛剤を擦り込んで回復を図る方法がある。熱めのシャワーを浴びて消炎鎮痛剤入りの軟膏やローションを擦り込むと効果的だ。

この電子レンジを使用する商品の中身はシリカゲルだ。通常、シリカゲルは乾燥剤として吸湿を目的として使う。この商品は逆に水分を十分に吸収したシリカゲルを使う。

電子レンジは水の分子を激しく振動させて、その摩擦で加熱する仕組みになっている。水分飽和状態のシリカゲルを電子レンジにかければ発熱し、蒸しタオルに似た状態になる。これを肩や腰に当てて温熱療法的に使おうとするものだ。温度としては、最高60度ぐらいで、20分程度の温熱が楽しめる。

医療器具ではないので、効能・効果について述べることができない。あくまでリラクゼーション商品として考えていただきたい。