『第494話』 【若返り】 手術など手法はさまざま
手術でまぶたのたるみを取ったり、薬剤を注射して額や目じりのしわなどを取り除くと10歳以上の若返りが可能だという。若返り手術のほかに、二重まぶたにしたり鼻を高くする手術は美容外科の担当で自費診療となる。
事故などで顔に傷が残り、そのためにまぶたが閉じないなどの障害がある場合は再建外科が担当し、健康保険が認められる。どちらも形成外科の中の部門だ。
笑った時に目じりにできる大きなしわは筋肉を麻痺(まひ)させるボツリヌス毒素を注射して取ることができる。こうすると、笑っても筋肉が動かないのでしわはできないが、少々表情が前と異なる。
眉間や上唇にできる縦じわには牛から取ったコラーゲンを注入する。約3%の人にアレルギー反応が出るので、実際に注入する前に皮内テストが必要だ。また3~6ヶ月で体内に吸収されてしまうので、繰り返し注入する必要がある。
加齢に伴い皮膚は「はり」を失い、しみも現れる。このような老人性のしみは専用のレーザーで治療するとかなり薄くなる。一般的なしみの場合、レチノイン酸の入った外用剤を使用し、さらに漂白効果のあるクリームを併用する。
みそ、しょうゆ、日本酒に使用される麹(こうじ)の中から分離されたコウジ酸にアラントイン、スクワランなどを混ぜて作るクリームはしみを薄くする効果がある。
医学的にいうしみは肝斑(かんぱん)と呼ばれ、顔の左右対称にしみが現れるものを言う。10代から30代にかけての女性に多く、特に妊娠した後に発生しやすい。肝斑の治療には漂白剤のハイドロキノンをワセリンに混ぜたクリームを用いるが、これも若返り対策のしみ取りに使ったりする。
しみは漂白されるが、塗った後はひりひりするし、使用を止めるとまた元に戻ってしまうので若返りも楽ではない。