『第590話』 【インフルエンザ】最盛期と自覚し予防を
厚生労働省のホームページでは、全国400医療機関の協力を得て、毎日インフルエンザの患者数を迅速把握している。これによると、届け出患者数は1月27日あたりからピークを迎え、現在は流行の最盛期であることを示している。
また、感染症情報センターからの報告では、1月27日~2月2日までに秋田県下の9保健所のうち、注意報が4カ所、警報が4カ所となっている。全国の地図は、各県とも真っ赤な警報色に塗りつぶされて、現在、注意報にとどまっているのは青森県だけとなった。今期は、昨年より流行が早く、平成10年の大流行に近づきつつある状況だ。
インフルエンザに使用する薬は、塩酸アマンタジン、ザナミビル水和物、リン酸オセルタミビルの3種類の抗インフルエンザウイルス薬から1種類、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン、このほかに対症療法として鎮咳(ちんがい)薬、去痰(きょたん)薬、場合によっては胃腸症状を改善する薬が処方される。
15歳未満の小児の場合は、急性脳症を含むライ症候群を誘因、あるいは致死率を上げるのではないかと疑われているため、サリチル酸系やジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸を成分とする解熱鎮痛剤は使用しない。
抗ウイルス薬の供給が十分に行われていないのではないか、という報道がある。しかし、県内の各薬局では常時5~10数人分以上の抗ウイルス薬を保有している。特に、昨年2月に発売されたリン酸オセルタミビルが品薄傾向にあるが、そのほかの抗ウイルス薬は供給されている。
場合によっては、薬局にリン酸オセルタミビルがなく、すぐにお渡しできない場合がある。しかし、県内の薬局間では品薄となった薬を互いに補い合うシステムが稼働しているので、必ずお渡しすることができる。
抗ウイルス薬の特徴として、塩酸アマンタジンはB型インフルエンザウイルスに効果がない。ザナミビル水和物、リン酸オセルタミビルはA型とB型に効果があるが、ザナミビル水和物は粉剤を吸引して使用するため、使いにくい面がある。リン酸オセルタミビルには、内服するカプセル剤とドライシロップがあり、服用しやすく、処方例が多くなる傾向がある。
最盛期を迎えていることを自覚して、家に帰ったらまずうがいと手洗いを励行し、予防に務めたい。