『第574話』 【薬剤師の願い】命育てる手伝いしたい

薬剤師は、調剤や適正な医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保することを使命としています。

薬局には薬に関する情報だけではなく、さまざまな健康・在宅介護関連情報が蓄積されています。健康増進のための指針には「健康秋田21」があります。また在宅介護を支えていくためには「介護保険」があります。薬剤師は、こうした情報を地域住民の方々に利用していただきたいと願っています。

医療の基本は、医療を受ける側と提供する側の信頼関係があって、初めて成り立っていくものだと思います。信頼感は安心感となり、信用がつくられていきます。これが基本となってさまざまな相談事を気兼ねなく話し、語り合っていける環境が整っていくのではないでしょうか。

そのためには、日ごろ薬剤師がどのような基本姿勢で皆さまと接しているのかをまず最初に、お知らせする必要があると思いました。それは「薬剤師は、皆さまの命を育てるお手伝いをさせていただきたいと願っている」ということです。「薬」「健康」「介護」「公衆衛生」等に関するさまざまな問題を解決していく相談相手として、その専門的な知識を分かりやすく伝授する薬剤師と巡り会っていくことは、少子高齢化社会を迎えてますます必要性を増していくことだろうと考えています。

こうした思いを込めて、「命」と「老い」をテーマにしたテレビドラマ「たそがれ-坂本梅子詩集への旅」を制作しました。テレビドラマは、薬の正しい使い方といった教育的内容ではありません。坂木梅子さんの詩を題材に、皆さまと同じ視点で「命」と「老い」について那珂静男さんがオリジナルのシナリオを書き上げた芸術作品です。「映像」でイメージを伝え、そして「詩」で考えていただくといった新しい手法も試みました。

「たそがれ」は、10月26日(土曜日)午後2時、ABS秋田放送から放映されます。じっくりとご賢いただくために、53分間の途中にCMを入れません。

是非ご驚いただき、ご感想などをお聞かせいただければ幸いです。