『第506話』 【夏バテ予防】ビタミンB群、上手に利用を

梅雨時期の蒸し暑さには耐え難いものがある。年度初めに張り切っていたエネルギーを使い切った時期でもあり、夏の暑さにも耐えられる体力を今から温存しておきたい。

体力不足や疲労が積み重なったときに必要なのが、休養と栄養補給だ。栄養補給として摂取したいのがアミノ酸とビタミン。どうしても食品から摂取しにくいときには、ビ夕ミン剤やこれらを含むドリンク剤を利用したい。

栄養ドリンク剤を飲んだときにキリリとした感覚を覚えるのはカフェインの効果だ。即効性があり、眠気や疲労感を取り除く。

疲労回復に役立つのはビタミンB群だ。B1はチアミンといい、糖質の分解、吸収を行う体内酵素の作用を補う補酵素として働き、筋肉に蓄積した乳酸の代謝を促進する。欠乏症で有名なのが多発性神経炎や循環器疾患を起こす「かっけ」だ。

B2はリボフラビンで、脂質の代謝を促進して、脂質をエネルギーとして使えるようにする。

B6はピリドキシンで、アミノ酸代謝に関与していて、不足すると皮膚炎などが起こる近年は抗アレルギー作用が注目されている。ただし、ビタミンB6は大量長期に摂取すると、手足のしびれや知覚異常が現れる末しょう神経障害を起こすので、上限摂取量を成人で100ミリグラムとしている。また、抗パーキンソン剤のレボドパの代謝を促進して効果を減弱させるので、レボドパを服用している人は注意が必要だ。

B12はコバラミンといい、タンパク質や核酸の合成に欠かせない。細胞がエネルギーを得るのを助け、葉酸とともに造血機能にかかわるため、赤いビタミンと呼ばれる。

Bという記号は付かないが、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンもB群に含まれる。ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドなどを総称した名称だ。

このようにビタミンB群は、人の基本的な栄養素の代謝にかかわりエネルギーを作り出すなどの補佐をしている。水溶性ビタミンで多量に摂取しても尿中に排せつされやすいが、中には注意を必要とするものがある。必要限度を知り、上手に利用したい。