『第734話』 【薬物乱用防止】各家庭でも語り合って

きょう6月26日は「国際1998年に決議された「国連薬物乱用根絶宣言」の趣旨を普及させる日として、87年に開催された国連麻薬閣僚会議の最終日が、その日になった。

過去に91年から2000年を「国連薬物乱用防止の10年」と定め活動が展開されたが、十分な成果を得るには至らなかった。同宣言では08年を目標年として、薬物乱用の根絶を目指している。県内では撲滅デーに合わせ、各地で街頭キャンペーンなどが行われる。

薬物乱用は、人類が抱える最も深刻な社会問題の一つだ。麻薬や覚せい剤の乱用者となってしまった人々への治療と支援、次々と開発される合成麻薬類、テロリストなどの資金源になっているとされる問題、麻薬の原料にもなるケシの栽培によって生活の糧を得ている人々の存在など、それぞれに対策を立てる必要がある。同宣言には20項目があり、人類の英知を結集しなければ解決の道が見つからないだろうという感想を抱かせる。

また、国際条約である「児童の権利に関する条約」の第三十三条では、麻薬や向精神薬の乱用から子供を守る必要性が強調されている。義務教育の段階から薬物乱用防止教育を実施していくことが重要だ。学習指導要領には薬物乱用の防止や医薬品の適正使用に関する内容も盛り込まれているが、専門家による継続的な授業が行われている状況にはなっていない。さらに本県は秋田わか杉国体を控えており、アンチドーピングの意識を育て健全なスポーツマンシップを持って競技を行ってもらうことなども含め、薬物を取り巻く社会的課題は多い。

県薬剤師会と県学校薬剤師会では県、県教育庁、県警と協力し、薬物乱用防止を呼び掛けようと年1回、県内すべての高校と一部の小・中学校で講演会を開いている。ぜひ、家庭でもこの機会に薬物問題について語り合ってもらいたい。