『第743話』 【健康増進】薬の安易な服用避ける

 今月は健康増進普及月間だ。平成18年度は「一に運動 二に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ -良い生活習慣は、気持ちがいい!」が統一標語になっている。rn 先日、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスのチームアドバイザーであるマーティー・キーナート氏の講演を拝聴した。キーナート氏は国技の相撲の人気が低迷していることに触れ、力士を目指す若者が少ない理由として現代人は見た目を気にする人が多く、さらに糖尿病や高血圧になりやすいという健康問題があることを指摘していた。rn 大相撲ファンには申し訳ないが、確かに肥満という点から見れば力士に健康問題が存在することは否めない。このため日本相撲協会では力士の健康維持のため、両国国技館に相撲診療所を開設して年2回の健康診断を実施し、引退後の健康管理にも取り組んでいる。同協会のホームページでは一般向けに、しこや鉄砲など相撲の基本動作を基にした健康体操も紹介している。rn 健康増進には標語にあるように食事への配慮も欠かせない。食習慣は子どものときに確立するといわれており、このことについて各家庭で十分に考えてもらいたい。rn さて健康増進に必要な要素として最後に挙げられている薬についていえば最近、売れ行きが好調なOTC薬(大衆薬)がある。18種類の生薬から成る防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の乾燥エキスを錠剤にしたものだ。肥満症、高血圧の随伴症状(動悸(どうき)、肩凝り、のぼせ)、便秘、むくみに効果がある。rn 厚生労働省が今年5月、40~74歳の中高年でメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の有病者が予備群も含めると2千万人近いと発表したこともあって、品薄の状態だそうだ。ただし皮膚に艶(つや)があり、骨格ががっちりしていてストレスに強く、意欲的かつ楽観的なタイプの人が服用する薬で、安易に痩身(そうしん)薬として使ってはいけない。rn 運動、食事、喫煙、そして薬に留意し、良い生活習慣を身に付けて「気持ちがいい!」となるかどうか-。その鍵は、あなた自身の日々の心掛けが握っている。rn