『第2話』 ドリンクの中にアルコール添加

「本当に24時間戦えるのか」という論議まで巻き起こしているドリンク剤。街角でミルクスタンドならぬドリンクスタンドを見かければ、何となく飲んでおこうという人もいるかもしれない。

薬の効き方が、アルコールによって強められたり弱められたりすることはよく知られている。ドリンク剤の大半には、量的な差はあるが、アルコールが添加されている。わずか容量20ミリリットルのドリンク剤1本の中に1.6グラムのアルコールが入っているものもあり、1度に2本飲めばグラス1杯のビールを飲んだのと同じことになる。アルコール濃度が40%強のウイスキーなら10ミリリットルに相当する。血圧を下げる薬を飲んでいる人はアルコールで起立性の低血圧をおこしたり、トランキライザーなどの精神安定剤を飲んでいる場合は、アルコール自体に中枢神経を抑える働きがあるので、ますますその作用が強められてしまう。

飲んだ薬は体に作用し、代謝されて排せつされるが、そのとき代謝産物として毒性の強い物質を作り出してしまうような薬もある。その場合には、当然その毒性も強められ、わずかな量のアルコールでも思いがけない副作用が出ることもある。

医薬品として市販されているドリンク剤には、1日1本といったように表示があるので、これを守ることが大切だ。また、薬を飲んでいる人は、ドリンク剤を飲む前に医師や薬剤師に相談することを勧めたい