『第10話』 日焼けした肌は水などで冷やす

長梅雨もようやく明けた。最近は夏のCMといっても、トースト娘より白米娘が台頭している。オゾン層の破壊などで、紫外線への関心が高まっていることとかかわっているようだ。

この紫外線は、皮膚が受ける外界の刺激で最も有害なものの一つとされている。長時間、強い直射日光を受ければだれでも、どんな健康な肌も日光皮膚炎(日焼け、雪焼け)を起こす。こうなると皮膚は赤くはれて灼熱感が表れてくる(直射日光の程度にもよるが、通常は2、3時間後)極端な場合は触っても痛い。そのうち小さい水泡ができるが、これは日光によって皮膚に有害なヒスタミンに似た物質がつくられ、毛細血管を広げ充血をおこし、周りに水分がにじみ出てくるためだ。ひどいときには大きな水泡となり、この状態が日光によるやけどで、サンバーンと呼ばれる。肌を焼くときは、このサンバーンを極力避けたい。

それには
①短時間、少しずつ肌を日光に当てる
②日焼け止めクリームを塗る。ただし効果はせいぜい2時間で、完全に日焼けを防止するものでもない
③直射日光はできるだけ避け、日傘、つばの広い帽子をかぶる(反射する紫外線でも充分肌は黒くなる。特に海岸、山岳地帯ではこの効果は大きい)
④光線を吸収して徐々に焼けるようオリーブ油などを塗る等の対策がある。
サンバーンによる炎症後、2、3日たつと皮膚の色は黒くなってくるが、これは皮膚にメラニンという物質が作られてくるため。この状態をサンタンと呼び、狭い意味の日焼けのことだ。しかしメラニンが増えるの、これが紫外線を吸収する働きをもつためで、皮膚がさらに強い直射日光を受けたときに、できるだけその影響を少なくする皮膚の防御システムの一つなのだ。シミ、ソバカスのある人は、より気を付けたい。

日焼けした後は熱いお湯での入浴は避け、カラミンローションや冷水で患部を冷やしたり、また日焼けが全身に及ぶ場合には水を多く飲んで医師に見てもらうことが必要だ