『第11話』 コーヒー3杯でカフェイン限度

世界中の人口の少なくとも半数がお茶を飲んでいるという。お茶にはカフェインが含まれているが、こうしたカフェインを含んだ植物は、昔から世界中至る所にあったらしい。それを旧石器時代人が発見し、それから飲料を作ったと考えられている。

日常の飲み物で、カフェイン含有量がもっとも多いのはコーヒーで、カップ1杯(130ミリリットル)当たり80ミリグラムほど入っている。また紅茶やコーラ1本(360ミリリットル)には約50ミリグラム、緑茶では100ミリリットル当たり約25ミリグラム含まれている。

カフェイン含有飲料が好まれてきたのは、疲れを取り、気分が高揚して頭がさえるからだ。

仕事への能力を増大させて眠気を覚ますといった作用を持つカフェインは、中枢神経興奮剤という薬になる。その1日の常用量は2~300ミリグラムであるが、この量は、コーヒー3杯で既に達する量である。

しかし夕方、5、6杯のコーヒーを飲んでぐっすり眠れる人もいれば、1杯でも中毒に近い作用が出るほど敏感な人もいる。従って、コーヒーを楽しむには自分の適量を知ることが大切。カフェインに強いといっても、1日2、3杯を限度にした方がよい。

また食後にコーヒーがよく飲まれるのは、カフェインやタンニン類が胃腸に適度な刺激を与え、消化を助ける効果があるからだ。そのほか、利尿作用もあるので、コーヒーとともに水分を多くとると体内の老廃物の排せつにもつながる。

しかし胃腸に刺激がある以上、胃炎や胃かいようなどのある人は飲むべきではない。

またカフェインは、肝臓や心臓、脳、神経などの未発達時には負担となるため、子供や妊婦はできるだけ控える方が良い